洋上風力産学官連携コンソーシアム
1. 設立の趣旨
政府が掲げた2050年カーボンニュートラルの実現には、エネルギー需給構造のパラダイムシフトが必要で、特に太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーの活用が不可欠な状況です。その中でも風力エネルギーは有力なエネルギーの一つであり、2020年末には洋上風力産業ビジョン(第1次)が示されるなど、我が国の洋上風力事業が大きく拡大していくことが期待されています。しかしながら、デンマークやオランダ、イギリスなどの風力先進国に比べ、我が国には洋上風力に関わる研究開発、人材育成を担う中核的研究機関並びに産学官で課題を共有するプラットフォーム組織がなく、国内の発電事業者、企業等は試行錯誤で自らの課題に取り組んでいる状況にあると言えます。
このような社会的な背景を踏まえ、九州大学は2022年4月に洋上風力に特化した「洋上風力研究教育センター」を設置しました。このセンターでは、本学の風力発電技術、風況解析技術及び海洋再生可能エネルギー技術の実績を活かし、水素、材料、数学、情報科学、電気、経済分野の研究者とのコラボレーションにより、世界最高水準の洋上風力関連研究・教育拠点の形成を目的に活動していきます。
そして、このセンターを核に、我が国の産学官の経験・ノウハウ・能力を結集した「洋上風力産学官連携コンソーシアム」を設立し、我が国の洋上風力エネルギーの主力電源化の実現に貢献してまいりたいと考えています。現在、我が国の風力エネルギーの導入は、欧米の風力先進国に比べて十分進んでいない状況と言えますが、洋上風力に関わる研究機関、製造企業、電気事業者及び自治体の皆様に本コンソーシアムにご参画いただき、組織の垣根を越えてオールジャパンで対応していくことで、この状況を変えていくことができると確信しております。
是非、本趣旨にご賛同いただき、多くの企業、団体等の皆様に本コンソーシアムにご参画賜りますようお願い申し上げます。
2022年4月吉日
九州大学総長 石橋達朗
2. コンソーシアムの活動の方向性
コンソーシアムの活動を通じて化石燃料に依拠した社会(産業、人材、地域)から再生可能エネルギー(特に、風力エネルギー)に依拠した社会(産業、人材、地域)への転換を促進します。
3. コンソーシアムの機能
- 1.セミナー、シンポジウム等の開催(活動に関する情報共有)
- 2.企業及び自治体等が抱える課題への対応(個別課題の連携コーディネート)
→ 個別課題のご相談はContactよりご連絡ください。 - 3.産学官連携プロジェクトの企画・検討(共通テーマの連携企画)
- 4.ビッグデータの蓄積・分析・利活用(データ統合)
4. コンソーシアムの運営
- ・九州大学の規定する運営会則により運営
- ・運営の意思決定は総会の決議による
- ・会員種別は法人会員(企業、自治体、大学等)と個人会員(研究者等)の2種類
- ・会費は無料
- ・法人会員には総会での議決権を付与
- ・事務局は九州大学洋上風力研究教育センター
5. コンソーシアムの体制
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■体制図
■役員
谷本 潤 会長 |
国立大学法人九州大学 理事・副学長、洋上風力研究教育センター長/教授 |
勝永 敏也 副会長 |
福岡県 企画・地域振興部 部長 |
神田 裕 幹事 |
日本精工株式会社 産業機械軸受技術センター 風力技術部 部長 |
谷山 賀浩 幹事 |
東芝エネルギーシステムズ株式会社 エネルギーシステム技術開発センター 機械技術開発部 シニアマネジャー |
吉田 茂雄 幹事 |
国立大学法人佐賀大学 海洋エネルギー研究所 副所長/教授 |